
近年、地価や建築コストの上昇に伴い、新築住宅の価格が急騰しています。そのため、中古住宅が選ばれるケースが増えていますが、築浅の物件は需要が高く、新築住宅に近い価格で取引されることも少なくありません。
そこで注目されているのが、中古住宅の中でも安価な「築古物件」です。とはいえ、一定の築年数が経過した物件は、耐震性や状態に不安もあるはず。そこでこの記事では、築古物件を購入するときに知っておきたいポイントや注意点を解説します。
中古住宅も築浅物件は高騰傾向にある
2025年6月の首都圏における成約件数は、中古マンションが前年同月比131.9%、中古戸建てが同149.2%と大幅に増加しています。
中古住宅が改めて注目されている背景には、新築住宅価格の高騰があります。物価高や金利上昇も懸念される昨今、住宅の取得費用を抑えたいというニーズが拡大していることが、中古住宅の成約数が急増している主な要因と考えられます。
■築年帯別 首都圏中古住宅の平均価格(単位:万円)

東日本不動産流通機構のデータを基に作成
一方で、中古住宅は新築住宅と比べて安価とはいえ、上記のように築浅物件は需要の高さもあって価格が高く、一般的な収入の世帯には手が届きにくい水準にまで価格が高騰しています。そのため、戸建てであれば築20年程度、マンションなら築30年程度を超える物件が「現実的な選択肢」と考える方も少なくありません。
築古物件で気になる「耐震性」
築年数が高い物件を検討するにあたって気になるのが「耐震性」ではないでしょうか。ただ実は、建築確認申請が1981年6月以降のマンション、2000年6月以降の木造住宅 であれば、現行の耐震基準と建築当時の耐震基準は変わりません。
木造住宅の現行基準は「2000年基準」

木造住宅の現行の耐震基準は「2000年基準」と呼ばれるものです。2000年基準は、2000年6月以降に建築申請した木造住宅が対象になっています。2000年築など建築基準法改正の過渡期に建てられた木造住宅は、不動産会社に耐震基準を確認しておくと安心です。
マンションの現行基準は「新耐震基準」
一方、マンションの現行の耐震基準は「新耐震基準」と呼ばれるものです。耐震基準が変わったのは1981年6月。「築古」とされるマンションでも、新耐震基準で建築されている物件は少なくありません。
新耐震基準であっても「状態」は千差万別
現行の建築基準で建てられた住宅も、築20年、30年にもなると、新築からのメンテナンス状況や住まい方によって状態には大きな差が出ます。たとえば、シロアリ被害が進行している木造住宅は、たとえ2000年基準で建てられていたとしても耐震性に不安がある可能性があります。
状態を見極めるには「インスペクション」を

出典:国土交通省「建物状況調査(インスペクション)活用の手引き」
建物の状態を見極めるには「インスペクション」が有効です。インスペクションとは、国の登録を受けた機関が開催する講習を修了した建築士による建物状況調査を指します。調査対象は、構造上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分です。
目視や計測などによる調査であるため「絶対」とはいえませんが、第三者のプロによる調査を受けることで安心して購入できるでしょう。また、建物の状態を把握することで、修繕すべき箇所が明確になり、リフォーム・リノベーション費用も見積もりやすくなります。
リノベーションで性能向上も可能
リノベーションの目的は、修繕や原状回復だけではありません。築古物件は、耐震性に加え、断熱性能や省エネ性能も新築住宅と比べて劣っている可能性がありますが、リノベーションによって「性能向上」も可能です。
性能向上リノベーションには一定の費用がかかりますが「リノベーション一体型住宅ローン」を利用すれば、一般的なリフォームローンより安い金利で住宅の購入費用とリノベーション費用をセットで借り入れることができます。
ただし、マンションは管理規約やリフォーム細則によってリフォームやリノベーションが制限されている可能性があるため、購入前にしっかり確認するようにしましょう。また基本的に、共用部にあたる窓などは改修できず、構造上、間取り変更や水回りの変更などが難しい場合もあります。
まとめ
「築古物件」といっても、建築確認申請が1981年6月以降のマンション、2000年6月以降の木造住宅であれば建築時の耐震基準は現行と同じです。とはいえ、経年劣化が進んでいる可能性はあるため、安心・安全に居住するためインスペクションやリフォームの実施も併せて検討することをおすすめします。さらに耐震改修や性能向上リノベーションも視野に入れることで、物件の選択肢は大幅に広がるでしょう。
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